気候変動リスクの情報開示について、世界共通の基準作成へ

本日の日本経済新聞朝刊に、「気候リスク開示、22年6月にも国際基準 企業選別に影響」という記事が掲載されています(以下、日本経済新聞朝刊から一部抜粋、太字は筆者追加)。

企業による気候変動リスクの情報開示で、IFRS財団が2022年6月をめどに世界共通の基準をつくる。環境関連の開示基準は乱立し、使い勝手が悪かった。統一したルールのもとで温暖化ガス排出量などの開示が進めば投資家は比較しやすくなり、企業の選別が進む。投資マネーの流れに影響を与え、気候変動対策にも弾みになる。

新基準は、世界の金融当局が設置し、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)設立までの準備作業部会に参加した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に基づき検討する。

排出量は対象を企業活動のどの範囲まで広げるかで大きく変わり、「スコープ1~3」という呼び名で分類される。工場での燃料燃焼など直接的な排出量「スコープ1」、他社から供給を受ける電気の発電などで出る「スコープ2」だけでなく、部品調達など取引網全体に関わる「スコープ3」も開示対象とした。
所属する産業にかかわらずスコープ3まで開示を求め、中身の説明も必要となる。例えば、オンラインの小売業では商品の輸送や流通の段階で発生した排出量をどう組み込んだか説明がいる。

この世界共通の基準を作成するIFRS財団は、国際財務報告基準(IFRS)を策定しており、このIFRSは世界はもちろん、日本企業でも適用企業が年々拡大しています(以前の投稿「最新IFRS適用状況(2021年6月末)」参照)。

そのため、同じIFRS財団が作成する当該新基準も、適用は広がっていくものと思われます。

日本でも、2022年4月の東京証券取引所で新設され、実質最上位となる「プライム市場」に上場する企業は、TCFDの提言に沿った開示が求められることになります。

このように、気候変動リスクの情報開示は決して遠い世界や遠い将来の話ではないということは意識していただきたいと思います。

また、今回の気候変動リスク以外でも非財務情報の開示や四半期開示の簡素化・廃止など、開示面の大きなうねりがここ数年で立て続けに起きている印象を個人的には受けています。

自社の有価証券報告書などの開示資料がどのように変わっていく可能性があるのか、時間のあるときに一度想定されてみてはいかがでしょうか。