今朝の日経新聞にて、四半期開示について短信に一本化の方向で検討を進める旨の記事が掲載されています(以下、日経新聞より一部抜粋)。
政府は上場企業など約4000社が四半期ごとに公表する決算書類で、法律で開示を義務づけている四半期報告書を廃止する検討に入った。証券取引所の規則に基づき開示する決算短信に一本化する。内容に重複が多いため企業側の事務負担を軽減することが目的だ。投資家が企業価値を正当に評価するため、四半期ごとの決算開示そのものは維持する。
検討の方向としては、四半期開示の廃止ではなく、短信への一本化ということです。
四半期開示の簡略化の方向性に関する個人的な意見は、過去の投稿「なぜ四半期開示を見直すのかを明確にすべき」や「関西経済連合会が「四半期開示制度の義務付け廃止」に向けた緊急提言を公表」にて繰り返し述べてきました。
詳細はそちらをご覧いただければと思いますが、端的に言うと、なぜ四半期開示を省略化・簡略化するのかという目的に照らせば、四半期開示の撤廃よりむしろ開示の一本化で検討を進めてはどうか。四半期は短信と四半期報告書の公表タイミングも大きく変わらず重複開示による無駄な作業負担が大きすぎる。一本化されれば経理担当者の実務負担の軽減とともに、長期的な企業価値向上も図れるのではないかという内容です。
今回政府が決定した一本化の方向性は、上述の個人的な意見と概ね一致した結論となっています(中間的な位置に存在する第2四半期報告書は、廃止のうえでその他の四半期と分けて今後議論を重ねるようです)。
四半期開示に関する過去の投稿は多くの方々に読んでいただいたとはいえ、政府の決定を左右する影響力を持つほどではないことは重々承知しておりますが笑、いずれにしても現行の四半期開示制度は重複開示などの問題点を有していると個人的に思っていますので、あとはスピード感をもって詰めの検討や制度改正を進めていただきたいと思います。