IFRS大好きな読者の皆さま、お待たせしました。毎年の恒例となっている、最新IFRS適用状況2026年版!
東証から公表された「会計基準の選択に関する基本的な考え方」をもとに、2026年6月末時点のIFRS適用状況をまとめました。
まず、2014年6月末以降のIFRS適用会社数(適用決定会社及び適用予定会社を含む)の推移は、以下の通りになります(東証HPより筆者作成)

2026年6月末のIFRS適用会社数は前年から18社増加し、318社となりました。
もちろん、この1年で増加した18社のなかには、私が導入支援をお手伝いした会社様も複数含まれています。プロジェクトで苦楽をともにしたご担当者の方々が、無事にIFRSの適用まで辿り着かれた。このグラフはその一社一社の積み重ねなのだと思うと、私も本当に嬉しい気持ちになります。
次に、2026年6月末時点のIFRS適用会社318社を業種別にグラフ化したものが以下になります(東証HPより筆者作成。棒グラフが適用社数(左軸)、折れ線グラフが各業種内の母集団に占める適用会社の割合(右軸)を示している)。

適用業種は33業種中29業種と、前年や前々年から変わっていません。
サービス業や情報・通信業、電気機器で適用が多い一方で、銀行業、倉庫・運輸関連、パルプ・紙、海運業の4業種は未だ1社も適用なし。
昨年の投稿で、海運業については商船三井がIFRS検討グループを設立し、「2026年度以降の早い段階で現在の日本基準からIFRSへの変更を検討している」ことを紹介しました。順調にいけば、来年か再来年頃には海運業での適用第一号となるかもしれません。
次に、各業種内の母集団に占める適用会社の割合を示した折れ線グラフを見ると、保険業が35.7%と頭ひとつ抜けました。
この一年で東京海上ホールディングスとMS&ADインシュアランスグループホールディングスが適用済みに加わり、先行していたSOMPOホールディングスと合わせて3メガ損保が揃い踏み。さらにソニーフィナンシャルグループも適用を決定しています。IFRS第17号「保険契約」への対応が視野に入ったことで、一気に動いたという印象です。
保険業に次いでは、医薬品が24.1%、ゴム製品が23.5%、石油・石炭製品が22.2%、輸送用機器が20.7%と、およそ4社から5社に1社が適用している状況です。
業種によって適用会社数および適用割合に偏りが見られるのも、これまでと同様ですね。
この一年を振り返ると、2026年は18社の増加となり、2023年と2024年がいずれも前年比10社の増加、2025年が16社の増加ですので、増加ペースは2年続けて拡大しています。
この一年で新たに適用を決定したのは、キヤノン、オムロン、島津製作所、アズビル、出光興産、ミスミグループ本社、ソニーフィナンシャルグループなど、各業界を代表する規模の企業が並びます。
ここ数年は、規模の大きい企業の適用は概ね一巡した印象がありましたが、このような企業が並ぶのをみると、IFRSへの移行は規模の大小に関係なく検討するべき事項なのだと感じます。
そして今後の予測ですが、日本基準の新リース会計基準が2027年4月1日以後開始する事業年度から強制適用となります。リースの会計処理がIFRSと概ね一致するのなら、この機会にIFRSへ移行してしまおうという判断が働きやすいタイミングです。
また、東証の資料によれば、「IFRS適用に関する検討を実施している会社」が81社あり、そのなかで最も多く挙げられた検討事項は「適用時期」(23社)でした。つまり、すでに適用するかどうかではなく、いつ適用するかという段階に入っている会社が相当数あるということです。
加えて、以前から述べているように、「のれん非償却の処理を望む企業がIFRSへの移行を検討し始めるだろう」ということを踏まえると、来年以降は今年の増加幅をさらに上回って推移しても驚くべきことではないと考えています。
IFRS導入の流れやコスト、自社における適用のメリットやデメリット、実際の支援内容などについて関心のある方は、ぜひお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。日本トップクラスと称されるIFRS導入支援の実績と現場で得た知見をもとに、貴社の状況に合わせた具体的なご説明をさせていただきます。

