企業会計基準委員会(以下、「ASBJ」という)から5月2日、企業会計基準公開草案第73号「リースに関する会計基準(案)」等が公表されました。
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ASBJにおいては、日本基準を国際的に整合性のあるものとする取組みの一環として、各種基準の見直しが進められています。
2018年には日本で「収益認識に関する会計基準」が公表されたことは記憶に新しいですが、今回は新たに「リースに関する会計基準」の公開草案が公表されました。
従来の我が国におけるリース基準から細かい変更点を上げればキリがありませんが、今回の改正による大きな変更点は、借手のリースの費用配分の方法について、IFRS第16号「リース」と同様に、リースがファイナンス・リースであるかオペレーティング・リースであるかにかかわらず、使用権資産に係る減価償却費及びリース負債に係る利息相当額を計上する単一の会計処理モデルになるということです。
私自身はこれまで一足先に、実務においてIFRS第16号「リース」の適用を支援してきました。
その経験から感じるのは、多くの企業が何らかのリース契約を締結しており、金額的な影響はもちろん、耐用年数の検討、従来の日本基準で採用していた簡便的処理の見直し、個々の契約を管理する作業負担の増加、契約内容の見直しなど、他の基準の適用時と比べて大きな影響が出ている会社が多いということです。
そのため、まだ強制適用は数年先ではあるものの、現在の公開草案の段階で基準の方向性や会計処理を確認しておくことをお勧めします。