収益認識に関する会計基準とIFRS第15号の主な相違点

収益認識に関する会計基準(以下、「収益認識基準」という)は、国内外の企業間における財務諸表の比較可能性の観点からIFRS第15号をベースに作成されていますので、両基準の内容は概ね一致しています。

一方で、我が国の実務上への配慮などから、以下のような相違点が見られます。

■ IFRS第15号には規定されているものの、収益認識基準には含まれなかった項目

・企業の通常の営業活動ではない固定資産の売却(収益認識基準108項)
IFRSにおいては、企業の通常の営業活動ではない固定資産の売却について、IFRS第15号の規定を参照して収益認識を行うこととされているが、収益認識基準ではこのような規定はない。

・契約コスト(収益認識基準109項)
契約獲得のための増分コスト及び契約を履行するためのコストのうち、一定の要件を満たすものはIFRS第15号では資産計上が求められているが、収益認識基準ではこのような規定はない(ただし、一定の場合は収益認識基準でも契約コストに係るIFRS第15号の規定を適用可能)。

■ IFRS第15号には規定されていないが、収益認識基準にて取扱いが定められた項目

先述のように、収益認識基準はIFRS第15号と概ね一致していますが、我が国の実務に配慮し、以下のような重要性等に関する代替的な取扱いが定められています(収益認識基準の適用指針92項から104項)。

・重要性が乏しい場合の取扱い
・顧客との契約の観点で重要性が乏しい場合の取扱い
・出荷及び配送活動に関する会計処理の選択
・期間がごく短い工事契約及び受注制作のソフトウェア
・船舶による運送サービス
・出荷基準等の取扱い
・契約の初期段階における原価回収基準の取扱い
・重要性が乏しい財又はサービスに対する残余アプローチの使用
・契約に基づく収益認識の単位及び取引価格の配分
・工事契約及び受注制作のソフトウェアの収益認識の単位
・有償支給取引

IFRSと日本基準では上述のような相違点がありますが、IFRS適用の予定もなく日本基準のみを適用しているような会社は、特に上記の相違点を意識することなく収益認識基準だけ理解しておけばよいでしょう。

一方、個別財務諸表では日本基準を適用し連結財務諸表ではIFRSを適用している会社、あるいは、IFRSと日本基準の並行開示を行っている会社などはどちらの基準も考慮する必要がありますので、上記の相違点を十分に理解しておく必要があります。

なお、収益認識基準はIFRSをベースに作成されていることから、現行の実務と比較すると、見積もりや判断が必要となる場面が大幅に増えます
弊社は日本でトップクラスのIFRS導入支援実績を有しておりますので、見積もりや判断が必要となる場面で、他社事例や豊富な経験・実績から有用な助言を行うことが可能です。収益認識基準の適用準備でお困りの方や相談したいことのある方は、お気軽にお問い合わせください。