四半期開示の見直しに伴い、決算期ごとに四半期レビュー対象の有無を整理してみた

先日の投稿「四半期報告書廃止を盛り込んだ金商法改正案、参院財政金融委員会で可決!」で記載していた、四半期開示が決算短信に一本化される件。

その後、11月20日に行われた臨時国会において「金融商品取引法等の一部を改正する法律」が成立し、四半期報告書制度の廃止は、2024年4月1日以降に開始する四半期から施行されることが確定となりました。

これに伴って、日本公認会計士協会から「四半期開示の見直しに伴う監査及び四半期レビュー契約書への影響について」が公表されています。

公表内容を踏まえて私見を簡潔にまとめると、監査法人と上場会社間の四半期レビューについては、決算期に応じて以下のような影響を受けることになると思われます(主な決算期のみ記載)。

■2024年6月決算企業の場合
第1四半期(2023年9月) :金商法に基づく四半期レビューの対象となる
第2四半期(2023年12月):金商法に基づく四半期レビューの対象となる
第3四半期(2024年3月) :金商法に基づく四半期レビューの対象となる

■2024年9月決算企業の場合
第1四半期(2023年12月):金商法に基づく四半期レビューの対象となる
第2四半期(2024年3月) :金商法に基づく四半期レビューの対象となる
第3四半期(2024年6月) :金商法に基づく四半期レビューの対象とならない

■2024年12月決算企業の場合
第1四半期(2024年3月) :金商法に基づく四半期レビューの対象となる
第2四半期(2024年6月) :金商法に基づく四半期レビューの対象とならない(ただし、新たに中間財務諸表に対するレビューの対象となることが見込まれる)
第3四半期(2024年9月) :金商法に基づく四半期レビューの対象とならない

■2025年3月決算企業の場合
第1四半期(2024年6月) :金商法に基づく四半期レビューの対象とならない
第2四半期(2024年9月) :金商法に基づく四半期レビューの対象とならない(ただし、新たに中間財務諸表に対するレビューの対象となることが見込まれる)
第3四半期(2024年12月):金商法に基づく四半期レビューの対象とならない

なお、上記いずれの場合も、金商法に基づく四半期レビューの対象外となった四半期の財務情報について、任意で四半期レビューを行うことは可能と考えられます。

特に9月と12月の決算企業については、法改正に伴う過渡期で認識の誤りが生じやすくなりますので、上記参考にしていただければと思います。