「本人か代理人か」を検討する際の留意事項-検討時の流れ-

先日の投稿で、「本人か代理人か」を検討する際の留意事項として、消化仕入について実例をもとに取り上げました。

今回は「本人か代理人か」を検討する際の流れについて、実務で何度か気になるケースに出会いましたので、ご紹介したいと思います。

本人か代理人かを判定するにあたって、自社の既存の契約に照らして具体的な検討に取り掛かろうとする方がおられます。

しかし、本人・代理人の区分も5ステップにおける論点の一つであり、収益認識に係る5ステップを踏まえて検討を進めていく必要があります。

つまり、いきなり自社の既存の契約ごとに本人か代理人かを判定することから始めるのではなく、まずは契約を識別し、その識別された契約ごとに複数の履行義務が含まれていないかという履行義務の識別を行います。

そして、その識別された履行義務について、財又はサービスが顧客に提供される前に企業が支配しているかどうかを検討するという流れです。支配していれば本人、支配していなければ代理人ということですね。

本人と代理人の区分の検討と言われると、まず支配の判定にあたって考慮する3指標(約束の履行に対する主たる責任、在庫リスク、価格裁量権)の例示が頭に浮かんでしまい、既存の契約をその指標に当てはめて検討しがちです。

上記の流れを意識していただければと思います。