6月27日の日経電子版に「金融庁、有報の提出期限1カ月延長検討 サステナ開示で負担軽減」という記事が掲載されています(以下、記事より一部抜粋)
金融庁は有価証券報告書の提出期限の延長を検討する。事業年度が終わって3カ月以内に提出するとされている現行の規定を1カ月伸ばして4カ月以内とする。2027年3月期から一部企業で始まるサステナビリティー情報の開示義務化に伴い、有報作成にかかる負担を減らす狙いだ。
27日に開かれた金融審議会(首相の諮問機関)の作業部会で、年内に結論を出す方針を示した。延長する場合、金融商品取引法の改正が必要となる。英国やドイツなどでは、日本の有報にあたる年次報告書の公表期限を4カ月以内としている。1カ月間延長することで海外の事例と平仄(ひょうそく)を合わせる。
本年3月に金融担当大臣から全上場企業に対して有価証券報告書の提出前倒しが要請され、5月には経団連から「有価証券報告書の提出は、本来、株主総会の3週間以上前に行うことが最も望ましい」旨の提言が公表されたのは、皆さんの記憶に新しいところ(いずれも当時の投稿に詳細を記載していますので、興味のある方はご覧ください)。
世の中は有価証券報告書の提出前倒しの流れなんだと思いきや、今度は一転、金融庁は有価証券報告書の提出期限を1ヶ月伸ばすことを検討するようです。
一体、どっちに向かおうとしてますの。。。
投資家へのタイムリーな情報提供を優先すれば前倒し。開示ボリュームが増えるなかで実務担当者の負担軽減を図ろうとすれば後ろ倒し。
どちらも重視したいのはわかりますが、有価証券報告書の提出期限で解決しようとするのは無理があるんじゃないですかね。
以前から書いているように、まずは有報や計算書類といった法定開示資料を一元化して重複開示を無くせばいいと思います。そうすれば、現場の作業負担を減らしながらタイムリーな情報提供も可能になるのではないでしょうか。