昨日の日本経済新聞の記事によると、帝国データバンクが22日発表した全国「後継者不在率」動向調査(2024年)で、後継者がいない企業の割合は52.1%と、調査を始めた2011年以降で最低となったということです。
また、代表者の就任経緯を見ても、2023年までは同族承継が最も多かったものの、2024年に初めて内部昇格が同族承継を超えたようです(以下、帝国データバンクの記事から図表を抜粋)。
私は東京商工会議所ビジネスサポートデスクにおいて、財務会計および事業承継の専門家として10年ほど相談対応を行ってきました。
特に、近年の後継者不足の問題を受けて、2017年頃から本格的に始めた「60歳企業健康診断」事業では、主に60歳を超える経営者を対象にヒアリングを行い、資料に落とし込んで会社の現状を事業や財務面から「見える化」してきました。
これにより、経営者に事業承継の手法や必要性を早い段階で理解してもらうとともに、親族内の後継者が不在の会社にも、親族外承継やM&Aによる事業承継の可能性を伝えることができました。
また、経営者だけではなく後継者にも「見える化」した資料を共有し、説明を行うことで、会社の現状や将来性に対する経営者の考えを後継者にも把握していただくことに努めてきました。
経営者や後継者から多くの感謝をいただけたことは素直に嬉しい反面、それだけ事業承継に頭を悩ませている企業が多いというのが現実なのだというのも肌で感じたところです。
実際に私自身が「60歳企業健康診断」事業を含め、事業承継の相談に関わらせていただいた会社は、これまで100社を優に超えていると思います。
上記の後継者不在率が減少傾向にあるというグラフと照らして、全体からみると一握りであっても、私もその一端を担うことができたかなと感じています。
とはいえ、最近はM&Aによる事業承継でのトラブルなども報じられていますので、個々の会社にとって最善と考えられる方法を具体性を持って提案できるよう、引き続き、私自身も研鑽していきたいと思います。