全銀システムの障害復旧へ

銀行間送金システムで今月10日から続いていた障害は12日朝に解消し、通常どおり利用できるようになったようです(以下、本日の日本経済新聞より一部抜粋)

システムを運営する全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)が12日朝に午前8時半の稼働以降、午前9時時点で通常どおり振り込みできる状況になっていると発表した。(中略)障害が起きた10金融機関からの送金の未処理分は11日夜時点で計90万件程度にのぼっていた。

10日から11日までの2日間で計255万件の送金取引に遅延などが生じた。児童手当や給料の振り込みといった個人への送金のほか、約束手形など企業間の決済などに幅広く影響した。

全銀システムの障害解消後は再発防止策の策定が課題となる。同システムの顧客に影響が出る障害は1973年の稼働以降、初めて。

障害の発生から復旧まで丸2日を要したものの、ようやく通常通りの利用が可能になったようです。

システムを利用した取引は、ペーパーレス化や合理化・IT化を推進する時代の流れに即しているとともに、企業側としても事務負担の軽減に繋がることから、今後も利用者数は増加していくものと思われます。

だからこそ、今回のようなシステム障害が起きた場合にはあらゆる方面で多大な影響が発生してしまいます。

サービス提供者側も今回のような障害が再度発生しないよう再発防止策を検討することも大事ですが、利用者側もこのようなリスクを想定したうえでの利用が求められるでしょう。

最後に、2年半ほど前になりますが、私が「企業実務(日本実業出版社)2021年5月号」に寄稿した「「でんさいネット」への移行は進むか?」という記事から、一部抜粋しておきます。

近年でも金融機関のATM障害などがたびたび報じられていますが、システム障害により期日に入金されないなどの事態が生じた場合には、会社の資金繰り予定が大きく狂ってしまい、場合によっては期日に支払いができない状況も考えられるのではないでしょうか。サービス提供者側もこのような事態を想定したうえでの予防策および事後的な解決策などを利用者に周知して、様々な不安の解消に繋げていく必要があります。