自由民主党の新総裁に選ばれた岸田文雄新総裁。
岸田新総裁の公式サイトに、8ページにわたる出馬表明が掲載されています。
そのなかにある「新しい資本主義の構築」の項目で、以下のような記載が見られます。
企業が長期的視点にたって経営出来るよう、四半期開示の見直しやサプライチェーンにおける下請け取引の適正化など、経済社会の基本的なルールの見直しを検討します。
わずか数行ではあるものの、「四半期開示の見直し」という言葉で触れられていますね。
ただ、具体的にどのような見直しを行おうとしているのかまでは書かれていません。
しかし、「企業が長期的視点にたって経営出来るよう」という記載からは、短期的な視点に陥りがちな四半期開示を縮小、簡略化、あるいは廃止するという方向で検討している旨が読み取れるように思います。
以前の投稿「その開示資料は価値を生み出しているか?」でも記載しましたように、私としては以下の方向で見直しを進めてほしいと考えています。
・四半期については、短信と四半期報告書を一体的に開示することはできないか(四半期決算自体がスピードを重視しているため、両者を分けず一体的に開示する余地があるのではないか。両方の資料を別々に作成することが、逆にスピード重視を阻害していないか)
・そもそも四半期決算自体を廃止して、従来のような半期決算に戻してはどうか(あるいは四半期については企業の自主的な開示に留めることも一つの方法ではないか)
・金融商品取引法と会社法における作成・開示書類を一体化できないか
開示支援をやっていて、会社担当者の方に助言を行うこともあれば、私自身が手を動かして開示書類を作成することもあります。
この開示書類が一度ですんなりと完成することはまずありません。大なり小なりの修正を何度も繰り返すのですが、この修正を複数の開示書類でその都度行うことになります。
期限が迫り、窓の外はオフィスビルの明かりだけ。そのときに同じ修正を書類ごとに何度も行うことの虚しさといったら。
「何ヵ所も修正してたらもう数字覚えてしもたで、俺。はは。。。」
「先生、ちょっと休憩しましょう。。。」
新総裁のもとでどこまで、そしてどのように四半期開示の見直しが進むのか、開示支援を行っている私自身も注目したいと思います。