「のれん」償却維持で決着へ! ー それでも非償却を望む企業がとるべき、現実的な選択肢とは?

今朝の日経新聞1面に、「「のれん」償却維持で決着」という記事が掲載されています(以下、一部抜粋)。

日本の会計基準づくりを担う財務会計基準機構(FASF)は企業のM&A(合併・買収)で生じる「のれん」の償却について、定期的に実施する現行基準を維持する方針を固めた。
(中略)企業が償却か非償却かを決める選択制の導入も見送る。27日に開催予定の諮問会議で決定する。FASFは約1年間かけて専門家らの意見を聞いて議論してきたが、非償却を導入することへの支持は広がらなかった。

2025年8月から全9回にわたって開催されたのれん公聴会には、作成者・利用者・監査人・学識経験者と幅広い専門家が参加しました。

しかし、以前の投稿「のれん定期償却か非償却か ― 公聴会で求めるべきは「新たな根拠」ではないか」でも書いたように、最後まで非償却に変更すべきという「新たな根拠」は出てこなかったように思います。

このあたりの話は数年前にIFRSですでに議論されており、その際にも会計処理の変更によって生じる実務負担や経済的な影響といったマイナス面を上回って変更すべきだとする新たな根拠は出ていません。出てくる気配すらない。

そのため、現在関与しているクライアントのご担当者の皆さまには、一歩踏み込んで「日本基準でのれん非償却に変わることはない。選択制が導入されるなんてありえない」とお伝えしてきましたので、想定どおりの着地となりました。

一方で、今回の決着によって「償却負担が重く、M&Aの足かせになっている」と考える経営者の悩みが消えるわけではありません。むしろ、日本基準を適用するかぎり、その負担は続くことが確定したとも言えます。

では、それでも非償却を望む企業がとるべき、現実的な選択肢はあるのか?

この点、我が国ではIFRSの「任意適用」が認められています。

日本基準と異なり、IFRSはのれん非償却です。つまり、のれんの非償却を望む企業には、今回の決着とは無関係に、すでにIFRSへの移行という道が用意されているということです。

「非償却で処理したいなら、IFRSを任意適用すればよい

以前から投稿で書いているように、これが私の一貫した考えです。今回の償却維持という決着は、その選択肢の重みをむしろ高めたと考えています。

もっとも、IFRS導入には「何億円もかかる」「膨大な体制整備が必要」といったイメージを持たれる方が少なくありません。しかし、それは一部の大企業にのみ当てはまる極端なケースです。

私がこれまで支援してきた案件でも、「思っていたよりずっと現実的なコストだった」という声を多くいただいています。

とはいえ、IFRS適用には、のれん非償却以外の論点の検討や、監査対応、移行時の実務負担といった、事前に押さえておくべき事項があるのも事実です。だからこそ、一般論ではなく自社の状況に即した判断が重要になります。

・自社でIFRSを導入する場合、どれくらいのコストや期間がかかるのか
・IFRSの適用には、どのようなメリットとデメリットがあるのか
・導入にあたって、どういった論点・実務負担を想定しておくべきか
・どういった専門家に支援を依頼するのがよいか

こうした点についてご関心のある方は、ぜひお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

IFRS導入支援社数トップクラスと称される豊富な実績と、現場で得た知見をもとに、貴社にとっての現実的な選択肢をご提案させていただきます。

また、2025年12月に私が登壇した、プロネクサス様主催のIFRSセミナー「失敗しないIFRS導入ー上場企業が直面する落とし穴と成功の方程式」がありがたいことに好評をいただいているようで、web視聴期間が延長されています。

IFRS導入支援の事例紹介として、要改善事例と成功事例ごとの要因・課題なども解説していますので、興味のある方はこちらもぜひご覧ください。