ASBJが改正企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」を公表

企業会計基準委員会(以下、「ASBJ」という)は3月26日、改正企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」を公表しました。

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昨年12月27日の投稿にも記載しましたように、収益認識基準の改正後、電気事業連合会と一般社団法人日本ガス協会から、立て続けに検針日基準を代替的な取り扱いとして認めてほしい旨の要望が寄せられていました。

今回の改正後の適用指針では、公開草案時から変更はなく、「検針日基準による収益認識を認めた場合、財務諸表間の比較可能性を大きく損なわせないとは認められないと判断し、会計基準の定めどおり、決算月に実施した検針の日から決算日までに生じた収益を見積ることが必要である」との結論に至っています。

また、「決算日時点での販売量実績が入手できないことにより、見積りと実績を事後的に照合する形で見積りの合理性を検証することができないなど、見積りの適切性を評価することが困難であるとの意見が財務諸表作成者及び監査人から寄せられたため、見積方法について財務諸表間の比較可能性を大きく損なわせない範囲で代替的な取扱いを定める」こととしています。

ここでいう代替的な取扱いについても公開草案時と同様に、使用量については「その月の日数に対する未検針日数の割合に基づき日数按分により見積ることができる」とし、また単価について「決算月の前年同月の平均単価を基礎とすることができる」としています。

つまり、検針日基準による収益認識を認めなかった一方で、見積方法について代替的な取扱いを定めたということです。

そのため、適用指針の「重要性等に関する代替的な取扱い」の「その他の個別事項」に、今回の見積方法が新たに新設されています。

なお、本適用指針は2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用することとされています。早期適用の会社を除いて、収益認識基準の適用時期と同じタイミングで今回の改正を踏まえることになる点はご留意ください。