最新IFRS適用状況(2019年6月末)

以前アップした2018年6月末のIFRS適用状況から1年が経ったのを機に、2019年6月末時点のIFRS適用状況などをまとめてみました。

(2020年9月9日追記:2020年6月末時点のIFRS適用状況を更新しました。よろしければこちらからご覧ください。)

まず、IFRS適用会社数(適用決定会社及び適用予定会社を含む)の推移は、以下の通りになります(東証HPより筆者作成)

2015年頃からは毎年30社前後のペースで増加しており、2019年6月末のIFRS適用会社数は225社となりました。

この1年は合計で21社の増加とやや鈍化したようにも見えますが、これは適用決定の開示タイミングを遅らせている会社が増えている傾向にあるのが一つの要因と考えています。

事実、適用済みの会社数で見ると、この1年で161社から198社へと37社増加しており、ここ数年のペースと大きな変化は見られません。

実務的な面からみても、私が関与している導入支援対象会社は数年前よりもむしろ増えている傾向にありますので、今後も数年は安定的に増加していくのではないでしょうか。

次に、2019年6月末時点のIFRS適用会社(適用予定会社を除く)214社を業種別にグラフ化したものが以下になります(東証HPより筆者作成)。

適用業種は前年に比べて2業種(繊維製品、空運業)増加し、より広範囲に拡大してきた一方で、相変わらず業種間の会社数には偏りが見られます。

電気機器やサービス業、情報・通信業の適用会社が多く見られるなかで、銀行業や電力・ガス事業、水産・農林業などは未だ1社も適用がありません。
もっとも、上記グラフには含まれていない適用予定会社には、建設業や電力・ガス事業の会社も見られることから、適用会社だけでなく適用業種も徐々に拡大傾向といえます。

また、各業種内の母集団に占める適用会社の割合を折れ線グラフで示しました。これで見ると医薬品が25%と一番高く、約4社に1社が適用しています。次いでゴム製品が21%、空運業が20%と続きます。

私のIFRS導入支援状況でお話すると、特にこの1年は、従来の大企業中心に加えて中堅規模の会社からも適用支援の依頼が広がっている印象を受けます。

上記の適用状況に含まれている会社は氷山の一角で、この何倍もの会社がすでに水面下でIFRS導入プロジェクトを進めているのが現状ではないでしょうか。