本日、東京証券取引所から「グロース市場における今後の対応」が公表されました。
IPO社数はここ数年、年100社前後で推移し、8割程度がグロース市場に上場しているということを踏まえると、今回のレポート内容は今後IPOを検討している経営者にとって非常に参考になる資料になっていると思います。
特に、現状の課題として記載されている経営者のマインドやIPOへの理解といった内容は、IPOを目指す経営者にとって耳が痛いと感じる点もあるのではないでしょうか(以下、当該資料から一部抜粋)。
・経営者の視座の問題として、日本のために何かしようという発想ではなく、M&Aで売るより高値が付くし、小さく儲けようというマインドとなっている。
・先輩たちが全員IPOを行っているので、何となく上場した方がいいのではないかと考える経営者も多い。とりあえずIPOを行うことが目的で、上場後のことは考えていない。
・本来、経営者として尊敬されるべきは、上場後にしっかり株価を伸ばしている企業の経営者のはずだが、現在の業界の風潮としてはそうなっていない。成長できていなくても「上場企業の経営者」ということでちやほやされている 。
・本来、最低でも上場後10年間にかけて20%ずつ成長し続けられるような成長戦略を描けていないのであれば、IPOを行う意味はなく、苦しいだけ。事業も組織も育っていないのにIPOを行うのは不思議な話。
上記はあくまで一部ですが、私自身も「IPOの相談を受けた際に、同じようなことを経営者に伝えているな」と読んでいて共感できた箇所もあります。
IPOを目指している経営者の皆様も、ぜひ一読されてみることをオススメします。