IFRSにおける「重要性」の考え方

私はセミナーや勉強会などで、ゴール逆算方式でIFRS導入プロジェクトを効果的かつ効率的に進めるためには、あらゆる場面で「重要性」の考えを念頭に置いてもらいたいと話しています。

この「重要性」は、IFRS適用対象に含める子会社等の決定時、個々の論点についてIFRSを適用するか否かの判定時など様々な場面が対象となります。

ここ数年、任意適用の拡大に応じて重要性に関する考えも浸透し、2017年9月にはIFRS実務記述書第2号「重要性の判断の行使」も公表されていますので、重要性の考えは一般的な話として広まってきました。

(余談ですが、私がIFRS導入プロジェクトに参画し始めた2011年頃は、日本におけるIFRS任意適用企業が数社程度と非常に少なく、経理部の方や監査法人に重要性の話をしても「IFRSでは重要性の考えは認められないのでは?」と返答を受けることがありました。
これはIFRSの個々の基準内で重要性について明記されているケースが少ないことに起因していると思われます。
そのため、「IFRSも会計基準であり、またIFRSの概念フレームワークでは重要性に触れている点がみられます。日本基準で認められていた重要性基準がIFRSに変わった途端に認められなくなるのはおかしいと思いませんか」というような話から以前は始めていました。)

では、なぜ「重要性」の考えを強調するのか。

IFRSの初度適用時において、IFRS適用対象に含めた子会社やIFRSを適用した論点については、その後の四半期や期末時においても継続してIFRSへの組替仕訳を行うのが通常です。

そのため、適用当初の段階で「重要性」を意識して理論武装を行い、子会社等をIFRS適用対象から除外する、個々の論点について適用対象から除外するというのは、その後の業務負担を大きく軽減するために重要なポイントとなるからです。

IFRSを最短距離で導入したい、また、導入後の作業負担を少しでも軽減させたいと考えている担当者の皆様は、常に「重要性」の考えを念頭に置いてプロジェクトを進めていただきたいと思います。

(「重要性」を踏まえた具体的な考え方の一例は、拙著「先行開示事例から学び取る IFRS導入プロジェクトの実務」(中央経済社)に記しております。興味のある方はご一読ください。)